冴木忍、久々の新刊です♪
砂漠のオアシスを舞台に、幸薄い系の主人公が、一見おとなしそうだけど芯は強くて結構頑固なヒロインに振り回される図式は安定の冴木節。 丁寧に作りこまれた世界を丁寧に語っている印象です。

結構大きな事件が起こっているのですが、淡々とした筆致でさらりと語られ、イマイチ派手さがありません。が、それはこの作者さんの持ち味というか、いつものことですね。
竜の血を引き水を操る力を持つヒロイン、謎の化け物との対決、竜の登場、などなど、もっと派手に演出できると思われる場面は多々あるのですが、このヒロインは対話ですべてを解決したい平和主義。そして主人公は傍観者というかヒロインに助力する立ち位置なので、バトルのような積極的な行動はしない。かくして物語は常時地味めに展開していきます。でも、その静かな雰囲気が逆に良い!
切なく優しく美しい、良質なファンタジーを読んだなぁ…という 余韻に浸れました。
砂の眠り水の夢 [ 冴木忍 ]

砂の眠り水の夢 [ 冴木忍 ]
価格:993円(税込、送料込)