魔物の侵攻を受けた地球で最強の「勇者」として魔王を倒した主人公。だが倒したと思ったその瞬間、異世界で赤ん坊に転生してしまった。女神に拾われ育てられた主人公は前世から引き継いだ能力を活用して女神の経営する魔導古書店を切り盛りしていたが…

というわけで、よくある絶大な魔力を持って異世界に転生しちゃった系の話。
少しだけひねってあるのは、物騒だったのはむしろ元いた地球の方で、転生後の異世界の方がずっと平和という所ですね。この主人公が過ごしていた地球には魔術も魔術師も普通に存在して、しかも転生後の異世界よりも魔術師のレベルが高い。地球最強の力をそのまま保持しているから、転生後の世界の誰よりも強い。女神より強い。 つまり苦戦なんかは一切しない。主人公が強けりゃそれでいい、という人には楽しいかもしれませんが、そうでない人にはこの主人公の態度とか性格はちょっと鼻につくかも。 
主人公が最強すぎる割に世界は平和な設定だから、物語の主題はヒロインの成長をサポートする方向かとも思うんですが、そういう方面としてはちょっと描写が弱いし、主人公転生の謎を追うのを主題にしたいとしてもイマイチ切迫感がないというか…。タイトルが「魔導古書店」なんだから、もっと書店あるいは魔導書に焦点の当たった話だったら良かったのに。話のテンポなんかは悪くないんですが、続きを読みたい!とまでは思わないかな。

異世界魔導古書店 [ 年中麦茶太郎 ]
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