乙女ゲーム世界で、ヒロインによる攻略の妨害活動に勤しむ物語、文庫版全4巻完結です。
いやぁ、これかなり面白かったですね!

1、2巻は、主人公が前世の記憶がある従兄に頼まれて、ヒロインが起こすイベントを回避するために協力→ヒロインが起こすはずのイベントを何故か主人公が起こしてしまい逆ハー展開? という流れがメインで、良くも悪くも乙女ゲーム転生系では定番のよくある話なのですが、3巻で「ゲーム完全版の追加攻略対象キャラ」が登場してからは一気に様相が変わります。いかにもゲーム的なアイテムに過ぎなかった「攻略対象の心の石」が悪用されて不穏な方向にまっしぐら。3、4巻はまさに目が離せない怒涛の展開になりました。心の石もうまく活用されていて、いい小道具になりましたね。委員長が関係者なのは解っていたけど、二重の意味での関係者だったことにも驚かされました。
ゲームヒロインのマリア嬢も腹を割って話してみたら結構いい子で、今までの逆ハー狙いの行動の数々も、裏に隠れていた心は意外に純情で、この先の幸せを祈りたい気持ちになりました。
まあラストの落ち着き場所は鈍感系主人公がいつのまにか逆ハー状態、というお約束な結末ではありましたが、そこに至るまでには色々と意表を突いてくれて楽しく読めました!

1巻はコチラ