ブラック企業に勤め、顧客からは「ペテン師」と罵られる毎日を送っていた主人公。ある日、仕事絡みの恨みから刺されてしまい「今度はペテン師なんて言われることのない平穏な生活を」と願いながら意識を失くすが、次に気付いた時には何故か異世界の荒野にいた。早々にトラブルに巻き込まれてしまった主人公は口八丁でなんとか切り抜けるが、それをきっかけに裏世界に足を突っ込んだ生活をすることになってしまい…

というわけで、なんとも殺伐とした話。普通この手の経緯を辿って異世界に渡る場合は、今までの生活とは一転して平和だったりチート能力のおかげで楽々だったり…という展開になるのが定番(実際、表紙やタイトルの感じではお気楽方向に展開しそうなイメージ)ですが、この作品の場合はむしろ異世界に行って状況が酷くなってますよ。血で血を洗う抗争に巻き込まれてるし、異世界定番の魔法が…存在はしているけど一般的ではないので、大怪我をしても治癒魔法もなく、ポーションなんて便利な物もないし…。そんな世界でハッタリと交渉術だけで危機を切り抜けていこうとするもんだから、主人公は結局この世界でもペテン師呼ばわりですよ(苦笑) まあラストに至る一連の「仕掛け」は名実ともに立派に「ペテン師」だと思いますけどね。
次巻では主人公のラストの「仕掛け」が悪用というか利用されて本当に戦争が勃発する流れになるようですが…そうなると今巻以上に殺伐としそうなので、続きは読むかどうしようか迷うところです。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ペテン師は静かに眠りたい 1 [ 片里鴎 ]
価格:972円(税込、送料無料) (2017/3/20時点)