昼寝を愛する人外転生ファンタジー第4巻。
今回は舞台を魔大陸に移して新展開…ではなく、海の上で一波乱…でもなく、ゼノ君が前回使った商人魔法の後始末のための寄り道回になりました。ある意味意表を突いてきてますね(笑)

さて今回は主人公が別人に間違えられた挙句に閉じ込められてしまうという、シリル大金庫の中だけが舞台の一種のクローズドサークルですが、もちろん殺人事件が起こるわけではありません。見所としては主人公の自我の芽生えというか、心情の変化ですね。今まで周囲に流されるまま特に自己主張的なものが無かった主人公が、別人として扱われ続けることで「自分という存在」について考え、自分自身の存在が「無価値ではない」とようやく認識するに至る話、と言っていいと思います。なんというか「成長したねぇ…」としみじみと。でも一番活躍するのはクズハちゃん。大精霊の説得に成功するのもクズハちゃん。主人公、最大の見せ場奪われてますよ(笑)
ちなみに今回のゲストキャラも女性です。相変わらず女性だらけで、ますます百合っぽい香りがして参りました。紅一点ならぬ黒一点のゼノ君にはもっと頑張って欲しい所ですが、彼は彼で影が薄いこと薄いこと…。仲間もゲストもおまけに敵も女性だらけで、さすがにちょっと食傷気味です。この話はもうちょっと男性比率を上げてもいいと思うの…。

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