誰もが様々な「スキル」を持ち、良くも悪くもスキルに影響された人生を送る世界。スキルにはありふれた物から他の誰にも存在しない自分だけのスキル「オンリースキル」まで多種多様。「売買」というオンリースキルを持つ主人公は、他者からスキルを買い取ったり、逆に誰かにスキルを植え付けたりできる「回収屋」として各地を行商して回っていて…

というわけで、スキルにまつわる悲喜こもごもを綴った連作。ちょっと類のない設定で、なかなか楽しかったです。
一編一編は短編集というほどのボリュームはなくて、エピソード集というかショート・ショート集という感じ。号泣とか大爆笑ということは無かったけど、エピソードのバリエーションが豊富で楽しかったです。
元賢者&孫娘の話とか、日々誘惑に耐えている神父様&無自覚お色気シスターの話、あと味音痴の若奥様の話なんかが面白かったですね。人間に友好的なオークの話も良かったです。オチでほのぼのしました。

ラストには主人公が抱える事情が明かされて、次巻への引きが入りました。主人公の実姉のタチの悪さが凄い…ここまでくるといっそアッパレですね。ちなみにこの話を読んで初めて「あれ、この話続くのね?」と思い、よく見たらちゃんと「1」って入ってたじゃん、という…(笑)
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