自作の電子部品の通電ミスで感電した主人公は、気付くと異世界の少年の身体になっていた。どうやらこの肉体の持ち主は落雷で感電し、意識不明になった所に主人公の意識が入り込んでしまったらしい。彼を拾って保護してくれた融合魔術師に弟子入りし、十年かけて融合魔術を極めた主人公は、融合魔術を司る妖精と出会う。師匠の勧めもあって妖精と共に世界を見て回る旅に出た主人公だったが、どうやら破壊魔術を司る妖精が世界の破壊を目論んでいるらしくて…

というわけで、融合魔術というある意味地味なジャンルが来ました。
この手のジャンルだと定番は「本人が冒険者になって、自前のチート装備で成り上がる」パターンか「凄腕冒険者の装備に選ばれて一躍有名になる」パターンというところでしょうか。あとは「普通の人が思いつかないような物同士を融合することで強力な何かを生み出す」というパターンも考えられるかな?
この作品の場合は、主人公が憑依(?)してしまった肉体の本来の持ち主が冒険者だったため、「この少年が本来歩みたかっただろう道も諦めない」という理由で冒険者も兼業している設定なので「自前装備で無双」のパターンになるのかな~と思ったら全然違いました。この主人公は最初の 師匠の救出イベントから最後の 竜との対決イベントまで、徹頭徹尾サポートに徹しています。でもそこが良い!
皆がお互いを信頼し合って、自分に出来る最善を尽くし合って、だからこそ最終的に誰もが幸せになれる未来を掴めました。とてもじんわりします。クライマックスは挿絵もいい仕事していて、まさに一幅の絵のような美しいシーンに仕上がっていました。
これは「主人公が一人で無双して完全勝利したよ」という展開では味わえないタイプの感動ですね。