王宮の新入り侍女エルマは膨大な仕事量を一瞬でこなし、料理をさせればマグロを釣る所から始め、呪われた怪我を治すのに外科手術の腕を揮うなど、どう考えても普通ではない数々の能力を披露していた。実は彼女はこの世の地獄と言われる監獄で生まれ、規格外の能力を持った囚人達に彼らの持てる技能の全てを叩き込まれて育った秘蔵っ子だったのだ!常識外れの力を持ちながらも、母の言いつけで「普通」の少女を目指すエルマの努力は報われるのか!?

というわけで、規格外の能力を持ちながらもそれに無自覚な主人公が「普通」を目指して間違った方向に努力している話。面白かったです!

各章扉の「エルマの普通」の小ネタも面白かったし、「これくらい普通ですよね?」という決め台詞と共に披露される数々の非常識も面白かったです。本人は意図していないけど、彼女の行動をきっかけに全てが良い方向に転がっていくのもお約束ですね。
最初は主人公の非常識ぶりを楽しむ系の話かと思っていたんですが、意外と物語の裏側の仕込みも多くて、そちらの面でも楽しめました。
あと、各章ラストで「裏事情」を小出しにしている「実家」監獄内の面々の濃さが凄すぎて、もう笑うしかないレベルです。出番自体は少ないですけどインパクトありすぎ(笑) 主人公曰く「シャバ」である王宮メンバーもそれなりに個性的なのに、その全ての個性を薙ぎ払う勢いです。あとお母様最強説(笑)

楽しかったです(^^♪ ラストではボンクラ第一王子改め腹黒新国王の兄貴がなにか企んでる風に終わりましたが、このテンションは次巻以降維持できるのかどうか気になるところですね。
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