キッチンカーでお弁当の移動販売を営む主人公。ある日、販売側の裏の窓を何気なく開けてみると、車窓が異世界に繋がっていた!販売場所の2ヶ所がそれぞれ別の異世界に繋がっていることが判明し、それぞれの世界で一人ずつの常連客をゲットした主人公は、二人と窓越しの交流を楽しみ徐々に打ち解けていったが、彼らの世界はどちらも竜種の異変で戦火に見舞われていて…

というわけで、異世界に繋がるキッチンカーが舞台の異世界交流もの。面白かったです。異世界のお金をこちらに持ち込むことで向こうの世界の貨幣の流通に支障が出ちゃうんじゃ…とか、こっちの世界の法律とか税金的にどうなんだろう…とか生真面目に悩んじゃう主人公が小市民でいい感じ。異世界のお金をガンガン稼いだ挙句自分のアイテムボックスに死蔵しているチート主人公達に聞かせてあげたい(笑)

あと、チートな能力があるのは異世界の二人でも主人公でもなくキッチンカーです。主人公が実際に異世界に行くことはありません。ここ重要。
当初は窓から出し入れできるモノだけのやり取りで完全な窓越し交流でしたが、危機に見舞われた二人を緊急避難的にキッチンカーに引きずり込んだ後はこちらの世界での生活に視点が移ります。どちらのパートも楽しかったです。異世界組の二人が「現在はあくまで避難」としっかり認識していて、帰ることを前提に自分の世界でも役立てられそうな知識の吸収に余念が無いのが切なくもあり頼もしくもあり…という感じでした。

主人公の事情、二つの異世界の事情、キッチンカーが異世界と繋がる理由、竜種の異常の理由などなど全てが判明して終幕、そしてちょっと嬉しい後日談…と、過不足ない描写で綺麗に纏まった一冊。
…と思ったのですが、あとがきによると、これ続くらしいです。ど、どうやって…??
最初にやっていたような平和な異世界交流だったら確かにえんえんと続けられそうではあるんですが、個人的には「理由があったから繋がった」というこの一冊だけでも良かった気がするんですけど。
…まぁそこらへんの評価は続きを実際に見てからにします。





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