勇者パーティで盾師を務めていたが、オーガとの混血であることを理由に虐げられ、ついには「役立たず」として追放されてしまった主人公。凍死寸前の彼女を救ったのは沙漠の隠者と呼ばれる青年だった。「番犬」として隠者の元に身を寄せた主人公は、彼から自分が盾師として非常に優秀な存在だと教えられ…

というわけで、色々規格外なのに自己評価低めの主人公が、もっと規格外だけど正当に評価してくれる人に巡り合って互いに支え合う関係になる話。面白かったです!ちみっこい女の子が身長よりデカい盾を振り回して戦うのって良いよね!

文字も何も知らないことが力になる「無知の防御」という概念が面白いです。理解できなければ呪いも無効になるし魔法攻撃も減退出来るとか優秀ですね。その代わり日常生活では不便になるし勇者パーティのように信頼できない人と一緒だと高確率で騙される危険がありますが。まさにハイリスク・ハイリターン!「守って戦うのが当たり前」という人のための措置という感じが全開ですが、今は亡きご両親は子供の人生に何を期待してるんでしょう。

ちなみに主人公、名前もありません。名前無しの主人公と言えば信頼できる人に出会って名前を貰って…という流れが定番だし、実際過去にその系統の話はいくつも読みましたが、彼女の場合は名前が無い事も「無名の障壁」という防御手段の一つらしいので名前が正式に与えられることはありません。本当に「守り」に専門特化の主人公ですね。無名であることそのものに価値があるという発想は斬新です。
どうでもいいけど主人公の隠者に対する「お兄さん」呼びが妙に好きです(笑)

さて隠者の元で暮らし始めてからは色々な依頼人に会ったりお使いに行ったりして、自分の世界がいかに狭かったかに気付き始めた主人公ですが、第二の人生では主人公をきちんと評価してくれる人に囲まれて自分に自信が持てるようになったし、追放されて良かったですよね。仲良しになる帝国の姫君とか可愛いし♡
クズとしか言いようのない勇者のパーティについても一応の決着は付きましたが、あからさまに「続く」な終わり方をしちゃいましたね。面白かったから続くこと自体は歓迎なんですが、1巻とかナンバー振っといて欲しかったかな…。
…あ、TOブックスだった。ここ1巻目にナンバー振ってくれないこと多いんですよね~。


2巻はコチラ

同じ作者の別作品 → ざまぁの後の王子様とわたし



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