田舎村ながら優しい家族に囲まれ幸せに暮らしていた主人公。だが、神様からスキルを授かる5歳になった時、彼女の授かったスキルが「星無し」のテイマーだったため全ては一変した。両親と村人たちに生きる価値無しと断じられ冷遇される主人公は、唯一味方になってくれた占い師に一人で生きる術を教えられながらなんとか生活していたが、その占い師も死んだことでついに命を狙われるようになったため村を脱出する。旅の途中で「風が吹くだけでも死ぬ」と言われる最弱の崩れスライムをテイムすることに成功し、二人(?)旅を続ける主人公を待っていたのは過酷な旅路…ではなく各地で可愛がられる幸せな毎日…!?

というわけで、最弱と思われてたスライムが特殊能力に開花しまくり主人公が周囲に愛されまくるロードノベル。食べ物以外の生活必需品は全てゴミ捨て場で調達する系主人公の登場です。ちょっと新しい(笑)
まあこの世界で言う「捨て場」というのは期限切れのポーションや使えなくなった武器・道具を捨てておく所みたいで、残飯みたいな腐敗物を捨てる場所というわけではありません。定期的にスライムが処理するけど、基本的にスライムは個体ごとに特定の物質しか処理できない(剣なら剣だけ、ガラスならガラスだけ、みたいに)なので、処理しきれない物の仮置き場的な感覚ですね。

ちなみに主人公は一応転生者ですが、前世の記憶や人格などは残っていなくて料理や知識面で時々日本人の片鱗が覗くくらいです。よって知識チートな展開はありません。「星無し判定だけど実は鑑定では分からないチート魔力持ち」…というわけでもありません。魔力は実際に少ないです。
チート能力持ちはスライムの方ですね。弱すぎるという意味でレアなスライムのため、過去にテイムに成功した事例が無く、崩れスライム=チート能力持ち という図式が成立するのかどうかまでは解りませんが。主人公がテイムできたのは…最低星1つ無いと何もテイムできないと言われるテイマーで、そこにすら満たない魔力しか無いからこそスライムに負担をかけずテイムできたのだろうと分析されています。主人公がチートだからじゃないよ?

でもまぁ…可愛いので!可愛いは正義なので問題なし!
ただ、スライムも可愛いけど一番可愛いのはアダンダラ!早く名付けエピソードまで進んで欲しい…!

この作品、ほのぼのを目指してますが旅の始まりはハードモード。いきなりのサバイバルでスタートし人里で落ち着けたと思ったらトラブル発生です。多分次巻の後半くらいからは作者の想定通りのほのぼの路線に入れるんですが。

割と好きでweb版を追いかけてた作品なので書籍化は歓迎なんですが、挿絵は…ちょっと主人公の恰好や持ち物のデザインが可愛すぎますね。本文中で「男の子に偽装している」と明記してあるんだから、もう少し性別不明な雰囲気を出して欲しかったです。顔が可愛い分、格好で少年風味を工夫しているはずなのに、この絵じゃ普通に可愛い女の子にしか見えないよ…!スカート履かないで! 巻末収録のコミカライズお試し版の絵の方が本文に沿っている気がしますね。

この先スライムが進化していき主人公に色々と余裕が出来るにつれ、主人公生来のブッとんだ性質が出てきて面白さが増すので、続きも順調に出ると良いなあ。


2巻はコチラ

同じ作者の別作品 → 異世界に落とされた…浄化は基本!



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