ある日突然、やりこんだRPGゲームの世界に来てしまった主人公。周囲に聞き込みをした結果、シリーズ中最も好きな主人公が活躍している時代で、しかも…「この国、5年後に滅ぶくね?」というタイミングだった。更にその呟きが当のゲーム主人公である覇王の耳に届き、「予言の参謀」として城に迎えられてしまう。覇王と意気投合した主人公は、「悪友」となった覇王を死の運命から救い、国の滅亡を回避する方法を探そうと決意するが…

というわけで、チートは無いけどゲームの知識のせいで予言者扱いされてる主人公がまったりマイペースに楽しんだり頑張ったりする話。
ちなみに同じ作者の作品である「最強の鑑定士って誰のこと?」の主人公ユーリが1巻冒頭で「友人に勧められたゲームで…」とか考えてた「友人」が本作の主人公ミューちゃんです。こちらの作品ではミューちゃんが「中学の時、料理の上手な男の子がいたな」と(多分次の巻くらい?で)回想している「料理上手」がユーリです。と言っても両作品にリンクはありませんので本当にただの「知ってればニヤリとできる」という程度の要素ですが。

当初は「鑑定士」の方が好きだったんですが、今はこちらの方が好きかなぁ?5年後の覇王の死を阻止する、という目的が明確に存在するので「話が進んでいる」という実感があるのがポイントです。
ちなみに、覇王様との恋愛イベントは一切発生しません。チートに目覚めたりもしません。お決まりの鑑定やアイテムボックスも無いし無双もしません。というかできません。最初からずっと、主人公は普通の非力なゲーマー女子です。本人は無双したかったそうですが!

web版はずっと読んでいるんですが、書籍という形で改めて最初からじっくり読んでみると、ミューちゃんはやっぱりいい女だな!女性としてというより人間として魅力的です。まぁ言葉遣いはアレだけど、誠実で絶対裏切らないって確信できて裏表なく対等に接してくれて、好き勝手に振る舞ってるように見えても意外に思慮深くて周囲に与える影響その他にもちゃんと気を回してくれるって、そりゃこんなのが味方になってくれるなら覇王様怖いものなんかなくなっちゃいますよね!

蛇足ですが、ミューちゃんチートで無双バージョン、覇王がミューちゃんに片思いバージョン、ミューちゃんが覇王に片思いバージョン、両想いラブラブバージョンが読んでみたい人はweb版へGO!作者自ら「パラレルルート」として各バージョンを書いてくれてますよ!チートな死神ミューちゃんの殺伐ぶりとか、もう完全に別作品ですよ。
私は本編の恋愛感情のカケラもない悪友関係が一番良いと思ってますけどね!


2巻はコチラ

同じ作者の別作品 → 最強の鑑定士って誰のこと?~満腹ごはんで異世界生活




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