キッチンカーで「ワンドリンクで占いひとつ」という一風変わったドリンク専門カフェを営む主人公。相棒の美青年・白蓮は実は主人公の一族を代々守護してきたあやかしだった。人間とあやかし・常盤の間に生まれた子孫である主人公の一族は、常盤が子孫のために贈った「永遠の祝福」によって異能力を持っているのだが、その力のせいで主人公の父は拉致?され行方不明になっていた。父を見つけ出すことと、白蓮を一族から解放することを目的にしている主人公は常盤の祝福を断ち切る方法を探しているのだが…

というわけで、霊能力持ちの主人公がカフェの客が抱える事情を解決していく話。
短編連作ですが、しみじみと心に沁みる話ありスリリングな話あり、で結構面白かったです。
特に、戦災で死んだ子供の話は現在のアパートの住民たちの人間模様と合わせて秀逸な出来栄え!短編とは思えない完成度でした。

あとこの話はあやかし白蓮が大変良いですね。子守りからスタートしてずっと傍にいたせいで、すっかり主人公に情が移ってるくせに態度は素っ気ない、なんというツンデレ(笑) 我儘放題、好き放題に振舞っているように見せてその実、主人公に対してベッタベタに過保護で甘々じゃないですか~。
彼の心情についてはラストの掌編でのみ語られていますが、本編を読んで「大体こんな心境なのかな」と感じていた部分が補完された感じです。
まぁ彼、けっこう分かりやすいので…主人公ももう少し注意深く観察すれば簡単に気付くのに(笑)

父の行方や”祝福”についてなどは一切解決しないままに終わったのですが、続きは出ないんでしょうか?





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