大学卒業目前に、子供を助けて死んでしまった主人公。チートを貰って異世界転生し、落ち着くまでのアドバイザーとして付いてきてくれた妖精と共に異世界生活をスタートする。初めて出会ったこの世界の住人であるイケメン獣人に異世界人であることが即バレしてしまい、この世界では転生者はレアながら認知はされており、即座に王国に報告する義務があると知らされる。だが、彼は「権力者とは関わらない所でまったりのんびり暮らしたい」という彼女の意志を尊重して王国へは報告しないことを約束してくれ、更に生活の面倒まで見てくれることに。優しい人たちに見守られた主人公がチート全開で取り組んだのは…食文化の発展!?

というわけで、チートは色々あるけれど、その全てを美味しい料理に注ぎ込む主人公が周囲の人々の胃袋をがっつり掴んでいく話。どれくらい掴んでるかというと、数日の間だけ行動を共にするはずだった妖精がすっかり餌付けされて「ずっと一緒にいる」と決意するくらい。

タイトルで「優しすぎる」とか謳っているだけあって、主人公の周囲だけは常に平和で穏やかです。その平和を実現するために、周囲の人々は裏で色々忙しく動いておりますが!お約束!


この主人公、あらゆるチートは「美味しい毎日」のために!と振り切れていていっそ清々しいですね。全魔法属性とか持ってても用途は基本的に家事ですよ。風と水で掃除、水で料理、火も料理、そしてアイテムボックスも料理特化。
時間停止機能のあるアイテムボックスは異世界チートの定番ですが、主人公のは時間停止のオンオフが任意に出来るというのが地味に優秀ですね。鮮度が命の食材なら時間停止、熟成を進めたい時は機能オフ、と便利に使っていて、料理する人間としては羨ましい限りです!そう、あえて時間停止したくない時ってあるんですよ。この作者、解ってるな…!さては料理する人種ですね?

あと、やっぱり定番の「日本の商品が買える」スキルですが…なにゆえ自立歩行ぬいぐるみの形にしたし(笑)
買い物する時に頭がぱっくり開くとかホラーじゃん(爆笑) 
しかも後に自我まで芽生えてますよ。むしろ作中一番の有能サポーターに進化しますよ。さらに後には忍者系のスキルを極めだすとか…なにこのカオス(笑)


ちなみに主人公は早くに両親を亡くしてバイトで食いつないでいた子なので「職の切れ目が命の切れ目、無職ダメ絶対」みたいな考え方をしています。なので異世界に来てからも無職回避のために定番の冒険者ギルドに登録したわけですが…チート能力のおかげで高レベルの魔物を瞬殺してしまえるのはお約束。とはいえ「魔法で心臓発作を起こさせる」という方向の瞬殺は珍しいですね。もちろん殺した魔物は全て美味しく頂きます。これもまたお約束。

目立ちすぎると転生者バレする可能性が高くなるから「偶然なんです!」と強弁してランクアップを固辞しているのですが、彼女、食材として認識するとどんな高ランクな魔物だろうと狩りにいっちゃうから…(笑) そして仲間たちもどんどん彼女に影響されて、魔物を「食べられるかどうか」でしか判別しなくなっていくから…(笑) 食欲に任せて瞬殺しまくってるから…(笑笑)
そりゃ強制的にランクアップもされちゃうよね。

むしろキッチンカーで出張料理店を始めた時点で商業ギルドの方に所属を変えてれば良かったのに…とずっと思ってましたよ。主人公、何故思いつかない?そして周囲も何故教えない?
強制ランクアップされた後で獣人王子が教えてましたが、正直もっと早いタイミングで冒険者ギルドは脱退すべきでしたよね~。もう目を付けられちゃってるのに、穏便に脱退できるんでしょうか?


ちなみに、話の内容としてはそれほど「先が気になる」というタイプの話ではないので、正直この一冊で「優しい人たちに囲まれて今日も幸せに異世界生活を満喫しています!」で締めになると思ってました。
が、どうやら続きますね。屋台を出店したお祭りの人気投票で1位になった主人公が「舞踏会か武闘会への強制参加」という賞品を貰っちゃって、「ダンスとかできないし偉い人とは関わりたくないから武闘会に参加」と決めた所で終わってます。さすがにここで終わったら続きが無いとおかしいでしょう…。
まぁ主人公の性格は面白いしノンストレスで読める話ではあるので、続巻が出たら読んでみようとは思ってます。




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