田舎の一軒家の管理人を任された主人公。実はそこは悪霊がはびこるとんでもない物件だったのだが、「書いた文字に祓いの力が宿る」という超強力な力を持つ(ただし本人は気付いていない)主人公によって、あっという間に浄化されてしまう。メモ魔でいつも何かしら「文字を書いた紙」を持ち歩いている主人公は、無意識のうちに街のあちこちを浄化し、神々をも救っていく。居心地の良い主人公宅の庭には、甘味好きの山神を筆頭に主人公に救われた神々やその眷属たちが集まり、すっかり神域になってしまい、更には現代の陰陽師までが主人公の書く「護符」を求めにやって来るようになって…

というわけで、規格外の祓いの力を持ってる主人公が無自覚にあちこち浄化しまくりながら神々とのんびりスローライフを楽しんでる話。実にほっこりほのぼのです。

主人公がのんびり穏やかで、自分の持つ力を知らされてからも変に慢心したり妙な正義感で事件に介入しようとしたりしない所が良いですね。甘味好きだったり日本酒好きだったりワイン好きだったりする神々もそれぞれ良い味出してるし、主人公宅は本当にのんびりほのぼのです。

主人公サイドにおける大きな問題といえば、「神様たちにはそれぞれの好きなものを買ってあげたい。神様なんだから安物より高級品を献上したい」と考える主人公が金欠になるくらい(笑)
それも某神様の「金運アップ」効果で抽選が当たったり、陰陽師に請われて書いたメモが高額で買い取られたりすることで解決しますが。

でもなぁ…主人公の作る「護符」は…単なるメモ紙に和菓子名と店名がつらつら書いてあるだけのシロモノだというのがなんとも(爆笑)
それでも絶大な効果は発揮していたんですが、「さすがにメモ紙はあんまりだ」と思った主人公が名刺に変更してくれて良かったですね。陰陽師さん、和菓子メモを同業者の前で使うのは…効果が超強力だと解っていても複雑な気分だったみたいだし(笑)
この陰陽師さんの、毎度毎度高級和菓子を手土産に用意してくる律義さも好きですよ。苦労人だな、色々と!

ちなみに、素行の悪いライバル陰陽師が主人公を恐喝しにくるという、ちょっと剣呑な状況にもなりかけましたが、山神さまの介入によって主人公の知らないところで解決してます。主人公…「基本的に善いモノしか視えない」という性質のせいで、もともと怖い思いも危ない思いもほぼ皆無の状態だったんですが、さらに鉄壁の護りを手に入れてしまいましたね。まぁクライマックスではさすがにちょっと危ない事もしましたが、そこは話を盛り上げないといけないので!

ていうかこの陰陽師さんたち、播磨と一条ですか…名前のモデルは明らかに蘆屋道満と安倍晴明ですよね~。晴明モデルの方が性格悪い設定というのが意外とありそうで無かったパターンかも。陰陽師界隈に興味がある人ならちょっとニヤリとできる小ネタですね。


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